2011-02-12
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2011-02-12
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街の大半は、既に灰燼に帰しています。 逃げ延びた数千人のコビトを、広大な背中と山のようなおしりで押し潰しながら倒れ込んだ敵に、 リュティアはライトセイバーを突きつけます。
腹に剣を突きつけられ、恐れおののく相手にニヤリと笑みを送り、 リュティアはズブリと一気にライトセイバーを突き立てます!
「ぐああっ!」
全身に熱気が走り、苦痛に体をよじる敵巨大娘! ビルを蹴り壊しながら悶えますが、彼女の目の前でみるみるうちにリュティアが巨大化していきます。 いや、自分が小さくなっているのです!!
巨大化によって作られたカラダは、 ダメージを受けることによって空気が抜けるように小さくなっていきます。
リュティアは剣をさらに深く突き刺し、どんどんと敵を縮めていきます。 800m..., 400m..., 200m..., 100m...,
さっき足蹴にしたビルに、もう足が届かなくなり、 そればかりか、自分が破壊したビルの瓦礫が高くそそり立つように見えてきます。
ついに、「僅か 10m ほど」にまで縮められてしまった彼女。 「巨大だった自分」が背中で押し潰した広大な更地の真ん中に、ちょこんと転がる彼女。 さっきまで同じ大きさだったリュティアは…、 跪いた姿勢にも関わらず、目も眩むほどの大巨人として聳えています。 そして、その手から自分に向かって、巨大な光線の柱が…。
「うふふ、ずいぶんちっぽけになったわねぇ?」
あざ笑う声にもエコーがついて轟き渡ります。
「全ての力を失った気分はどうしからぁ? そんなに小さくなったら、もう二度と巨大化は無理でしょうね。」
巨大化できる臨界点の身長を下回ってしまったのだ。 もう、どんなに力を込めても、1 ミリも大きくなれない。
そして、頭上から空を覆うほど巨大な顔が覗き込む。
「あ、まだ、ちょっと大きいね!? 小さすぎて分かんなかったーww ごめんごめん! いま、ちゃんとトドメを刺してあげるからね!
さあ、コビトの仲間に…墜ちなさい!」
巨大な縮小ライトセイバーが、再び突き立てられる! 焼けるような痛みが再び!
…彼女が目覚めたとき、そのカラダは、ちっぽけなコビトニンゲンと同じサイズになっていました。 そして、そんな自分には目もくれず、巨大なリュティアが我が物顔で街を蹂躙していました。
しかし、哀れな自分を嘆く暇も与えられず、彼女はコビトの一匹として、 大巨人リュティアの足元をあてどなく逃げ惑うのでした。 再び巨大化する力までも失ってしまっても、 万が一の再起を信じて、ここは何としても生き延びなければならないのです…。
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