都市破壊: リュティア
/ Crash a city: Ryutia
2009-10-23
リュティアは、大都市の真ん中で突如 100 倍、身長 160m に巨大化した。
もちろん、目的は自分が楽しむため、だ。
突然現れた巨人に文字通り
「仰天」
し、大混乱に陥りながらも、とにかく必死に逃げ惑うこびとたち。
リュティアは悠然とその様子を見下ろし、こびとたちを巨大なブーツで追い立てていく。
手を腰に当て、自分の巨大さと強大さをアピールするポーズ。
地面から僅かに浮かせた足を軽く動かしてやるだけで、こびとは次々に薙ぎ倒されていく。
こうして弄んでいるうちに、疲れ切ったこびとたちの動きは段々鈍くなってくる。
体力の無い者から次々に動けなくなり、通りの真ん中にへたり込んで行く。
そして、巨大なリュティアを恐怖に満ちた表情で見上げるのだ。
しかし、遙かな高みにあるリュティアから見れば、点のようなこびとの表情までは分からない。
いや、もし分かったとしても、彼女は嗜虐心を満たすだけで、こびとたちを憐れむことなど、あり得ない。
彼らの上に巨大なブーツをかざす。
その黒い影の中で、恐怖に震えあがるこびとたち。
大声で命乞いをする者たち。
自分の足元でこびとたちが必死になっていることは、リュティアにも分かっている。
だからこそ、楽しくて仕方ないのだ。
こびとたちの切なる思いを無視して、リュティアは巨人として当然のことを行う。
ズンッ……!!
2009-10-23
「あららー? 止まるとボクに踏みつぶされちゃうよ?」
街にリュティアの嘲るような声が轟き渡る。
しかし、既に力を使い果たしてしまったこびとたちは動けない。
数秒間の不気味な沈黙。
…。
……。
リュティアは宣言通りこびとの一群を踏みつぶす。
ズンッ!
そして、さらに追い打ちをかけるようにグリグリとそれを踏みにじる。
…グシュッ! グシュッ! ブチュッ!
「あーあ。死んじゃった。脆いなー。
せっかく、止まっちゃダメだよって言ってあげたのにー。」
つぶれたこびとたちを、汚いモノを見る目で見下ろす。
極自然な所作でブーツの底にこびりついた肉片を地面になすり付けたあと、
リュティアは次の獲物を探し始めるのだった。
2009-12-27
「本当にウジャウジャいるんだね〜、こびとって。
ボクがこんな大きさじゃ、いつまで経っても終わらないね。
うふ。でもこうすれば、もっと早く処分できるかなー。」
リュティアはニヤニヤしながら、すーっと音もなく、さらに巨大化した。
2009-12-27
数倍の身長。
数十倍の面積になった靴底は、街の一区画を一気に踏み潰せそうだ。
そこに数百倍になった体重をかけて、文字通り桁違いの破壊力を産み出すのだ!
2009-10-23
さらに圧倒的な存在になったリュティア。
クスクスという忍び笑いで街を包み込みながら、急速に街を破壊していく。
絶望的な状況の中で必死に逃げ回る、卑小で諦めの悪いこびとたち。
どんなに逃げても無駄なら、黙って踏みつぶされればいいのに…。
ウソだよ。うふふ、分かってるよ。
いいよ…もっともっと逃げ回ってよ。
その方がボクも楽しいから。
2009-12-28
怖くてたまらないよね。
こんなに強くて大きい巨人がそびえ立っているんだもんね。
でも、生きていたいんだよね。
死にたくないもんね。
うんうん。
キミたちが無力さを痛感してくれるまでは、なるべく生かしといてあげたいな。
あー、でも、もういいかな? ちょっと飽きちゃったし。
もっと大きくなって、いっぺんに終わらせちゃおうかな。
そんな事を考えながら。
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