2012-10-01
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2012-10-02(火) 足で広場がいっぱいになるまで、巨大化した姫。 さらに巨大化を続け、周囲に建ち並ぶビルを蹴散らすかという直前で、ついに膨張が止まった。
窮屈そうに並ぶ巨大な純白のヒールは、それだけで前衛的な建造物のような威容を誇っていた。 そこから、天空へ向かってそびえ立つ、美脚のツインタワー。 雄大な腰のラインを経て、エアドーム球場を横にしたような美乳が、どんっ! どんっ! 並んで張り出す。 その向こう、もはや霞むような高さから、爆乳で死角となった足元の下界を、覗き込むように見下ろす姫。 その息づかいは、渦巻く嵐や遠雷のようだった。
一方、地面は姫の巨重を受けて、陥没寸前だった。 僅かな身じろぎの一つ一つによって、ミシミシと不吉な地鳴りが伝わってくる。
もはや巨人という範疇を凌駕した、超巨人…、いや超巨神となったエルフ姫。 彼は、興奮を抑え切れずに、そびえ立つ姫を見上げていた。 いよいよ、この巨大な姫が、自分の作ったこの都市を蹂躙し、破壊し尽くすのだ。
しかし。 その前には、まだまだ演技が必要だ。
この広場は 150 メートル × 70 メートルほど。 姫が 1000 倍になったときの足の推定全長は 230 メートル。入りきらない。 そう、姫はまだ、1000 倍に到達していないのだ。
彼はつぶやき始めた。 自分の声が、数秒後には、姫の口から放たれる大音響となって、街に轟き渡るのだ。
つぶやき終わる。 すぐに、姫の口が動くのが見えるが、声は聞こえない。 いま、音は必死に姫の身体を駆けくだっているのだ!
1,2,…くるぞ!
「まったく、ニンゲンの街というものは…窮屈ですわね。」
ぐおおおおおん…おおおんん…おおおん!!
張り倒されてしまうような、音の壁の第一撃! 続く音も、爆撃のように襲いかかってくる。 思わず耳を塞いでも、なおも大音響が、ぐわんっ! ぐわんっ! と響いてくる。
「姫は、まだまだ大きくならねばいけないというのに。 これでは、本番の前に、街も貴方も蹴散らしてしまいますわ。 もちろん貴方だけは、生き返らせて差し上げますけど…」
自信と気品に満ち溢れた声。 しかし、下等で卑小なニンゲンたちを見下す感情は、常に見え隠れしていた。
「どうなさいますか? 痛いのがお嫌でしたら… どうかもっと、姫の足から遠くまでお逃げください。」
「それとも? いますぐ、もっと巨大化しても、構いませんか?」
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