リュティア: 小さな巨大娘 Ryutia: Little GTS

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2009-10-25
大きなビル、小さなビル…。
ぎっしりと建て込んだ街の中を、身長 160m の巨人が逃げ回る。
普通なら無敵の存在であるはずなのに、
何故か怯えた目線で振り返り、背後の空を「見上げ」ながら、地響きを立てて逃げ回る…、巨人。


恐怖の原因は、突然現れた超巨人、リュティア。
普通の女子高生、鈴はリュティアの気まぐれで身長 160m に巨大化させられてしまったのだ。

そんな巨大な鈴にとっても、リュティアは更に 10 倍も巨大な超巨人だった。
巨大な手が自分を捕まえようと迫ってくるのを見て、反射的に逃げ出す鈴。

しかし、最初の一歩を踏み込んだ瞬間、クシャッと何か脆い物を踏み砕いた感覚が…。
足を上げると、その下には、粉々になった雑居ビルと、ぺしゃんこに潰れた数台の自動車が…。

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2009-10-25
とにかく、こびとやビルを踏みつぶしてしまわないよう、
必死に足元のミニチュアの世界を凝視し、23m の巨大なパンプスを踏み下ろす場所を選んでいく。

不規則な地響き。

それでも、どんなに気をつけても、
巨人となった自分の靴は地面に深くめり込み、地割れを伴った陥没を作り出してしまう。
いや、それだけじゃない。
一歩ごとに脚が何かを引っかけたり、何かを踏み潰したりしてしまう。
鈴には小さ過ぎて見えないが、その僅かな感触のひとつごとに、数十のこびとの命が奪われていたのだ。

鈴の膝にも満たない雑居ビルが、白いソックスに包まれた巨塔のような鈴の脚に接触し、
逃げ遅れたこびとごと、一瞬で崩れ落ちてしまった。
そのまま踏み込まれた巨大なパンプスの下で、こびとたちは悲鳴を上げる間もなく、
地面に数メートルもめり込まされてしまった。

こびとから見れば、ただ聳え立っているだけでも威圧感すら感じさせてししまうほど巨大な、鈴の脚。
しかも、今はそれが凄まじい勢いで動いているのだ。

こびとが、もっと小さなこびとを踏み殺してしまう。
そんな光景を、遙かな高みから悠然と見下ろすリュティア。

自分も街を下敷きにしているが、今は積極的な破壊活動はしていない。
ただ、ちょっと左手を動かしてこびとを脅かしているだけだ。
それだけで、慌てたこびとが、もっと小さなこびとを、その街ごと潰してしまったのだ。
何て滑稽なのかしら!

左手だけで鈴をゆっくりと、しかし確実に追い詰めるリュティア。

「ほら、下をよく見なよー。
そこにもこびとさん、いーっぱいいるんだよー?」


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2009-10-28
逃げ惑うこびとは鈴の足元を埋め尽くしている。
ついに動けなくなってしまった鈴は、ビル街のただ中に立ちつくしてしまう。

そして、真っ青な顔のまま、交互にこびとたちを見下ろし、巨人リュティアを見上げる。
リュティアは表情を変えることなく、鈴をゆっくりと、しかししっかりと握りしめる。

「うふふ、小さな巨人さんをつかまえちゃった♪」

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2009-10-28
「小さな巨人さーん? 聞こえてるカナ?
あなたはもう、こびとさんをたーくさん殺しちゃったんだよー?」


一番聞きたくない言葉を浴びせられ、泣きそうな表情で首を横に振り続ける、鈴。

「じゃあ、次は小さな巨人さんと、
こびとさんの街でいっちばん高いビルの、
強さ比べをしまーす!」

 
リュティアは超巨大な手で、ひょいっと体重 4 万トンの鈴を持ち上げる。
足をばたつかせながら、巨人・鈴が軽々と宙に浮かぶ。

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2009-10-28
高層ビルの上に「ちょこん」と座らされた鈴。
支えていたリュティアの手が離れると、重さに耐えきれず、瞬く間にビルに巨大な亀裂が走った。

ピシッ!
ミシミシミシ…

そして、次の瞬間から、鈴の巨体は沈み込むようにビルを押し潰していく。

ガラガラ…
ズズズ…ズズズ…

ピシピシと瓦礫を巻き散らせながら崩壊していくビル。

「きゃ、きゃあ!」

墜ちていく鈴が思わず脚を動かすと、ふとももがビルをザクッと粉砕し、
かえって状況が悪化してしまった。

「あはは。動いちゃダメだよ。
分かった? アナタもう、高層ビルも崩せる巨人なんだよ?」


鈴は僅か数秒で高層ビルを完全に崩壊させ、土煙を巻き上げながら、地面に尻餅をついた。
数千人のこびとを巻き添えにしてしまったことに気づいた鈴は、
ついに耐えきれずに泣き出してしまうのだった。

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